小説版退付喪霊 音音 第16話     

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  音羽は最初は善戦していたものの、段々と
力を消耗してきてしまったんだよ。 
「はぁ……はぁ……」 
「音羽さん! 一回下がって!」 
 コイが百目鬼の攻撃を予測し、音羽に的確
な指示を送っているよ。 
『ふふふ、どうしたの? そんなモノ?』 
 音羽の身体はボロボロで、顔や服にも傷が
出来ているたんだ。 
「あの美少年……真の抜けた顔をしてるけど

 そう、百目鬼の所まで行こうとするとあの
『白馬に乗った美少年』が妨害をして、その
隙に百目鬼が攻撃を繰り出してきていたんだ。 
「負けられない……負けられないのよ!兄様
たちを絶対助けるんだから!」 
 音羽は誓うように叫ぶと、大きく手をかか
げて杖を大きく振ったよ。 
『氷の牙よ!降り注げ!』 
 音羽の放つ氷が、『白馬に乗った美少年』
を襲うが……。 
『ふふふ……美少年には傷を付けさせない
わ! 白の壁!』 
 パキィィンッ! 
 美少年の前に氷の白い壁が出現し美少年を
守ったよ。 
「そんな!」 
(どうする?何か手がないか……弱点が分か
れば? そうだ!) 
 コイは何か思いついたように音羽に叫んだ
よ。 
「音羽さん! 氷の白い壁には炎を当てるの
です!」 
「分かりました!火の玉よ!美少年に降り注
げ!」 
『あははは!まだ来るの? そろそろ死んで
くれる!』 
 百目鬼が口を開くと音羽の前に『白馬に乗
った美少年』が立ち塞がるが……これがコイ
の狙いだったんだよ。 
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(C)2013 川西ナナミ    
監修 赤い羽根のCB    
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